マリアさんは学園で一番綺麗で、いつもたくさんの男子たちに囲まれていて、何でもやってもらってるお嬢さまの中のお嬢さま。そりゃ、私みたいな見習いお嬢さまが、学園のイケメンたちと一緒にいたら気に食わないだろう。

「とにかく、小笠原は先生のとこに行って、全部話せよ」

「はい…」

「では、行きましょう」

恭一郎さんが、小笠原篤志と一緒に職員室に向かった。私たちは理科室を出て、玄関で恭一郎さんを待つことにした。みんなのおかげで濡れ衣は晴れたけど、マリアさんからはこの先もずっと目をつけられたままなのかな。