学園祭の後から私への嫌がらせはおさまって、平穏な日々を過ごしていた。ただ一つ、平穏でなくなったのは私の心。あれから仮面の王子が気になって仕方がない。

「茜、集中!」

いけない!進級テストに合格しなきゃ、仮面の王子に会えなくなる。
年が明け、私は必死に勉強して、なんとか進級を勝ち取った。慣れないお嬢さま生活も、もうすぐ一年を迎える。修了式にはパーティーが開かれ、今度は女子から告白することになっていた。入学式に告白してくれた大輝もルカも光くんも恭一郎さんも、私を一年間大切にしてくれた。今度は私が彼らに応える番だ。