イジワルだけど、大好きで



 桜舞う日。


 私は校舎の外で、友達や後輩たちと最後の思い出を作っていた。


 今日、私はこの高校を卒業する。


「ひくっ、…リコ先輩、寂しいです…」


 と、涙を流しながら言うのは、私が最高学年になった時にサッカー部のマネージャーに入って来てくれた1年生のミクちゃん。


「ありがとね、ミクちゃん。マネージャー私しかいなかったから、心配だったの。…ミクちゃん、これからもよろしくね」


「うぅ、…はい」


 長いようで、とても短かった。


 忘れられないホワイトデーからもう2年。


 私もついにこの日を迎えてしまったんだ。


 …と、その時。


「…涼宮!」


 ずっと、聞きたかった。


 ずっと、聞いていなかった声が聞こえた。


 すぐに声のする方へと視線を向けると、そこには男の人が立っていた。


 …あれは。


「あ、…相田先輩っ!!」


 私はすぐに駆け出した。


 2年経っても、すぐにわかった。


 私の、大好きな人。


 私はそのまま先輩に抱きついた。


「…ーー鈴宮、卒業おめでとう」


 優しい声が降ってくる。


「ありがとうございます…!…ーー先輩、お待たせしました」


 私は先輩から少し離れて、涙で濡れた顔のまま、精一杯の笑顔で、


「先輩、…ーー大好きです!」


 と言った。


「…俺も、好きだよ。鈴宮…いや、リコ。俺と、付き合ってください」


「…っ!!はいっ!!」


 桜舞う日。


 私の2年越しの想いは、今、花を咲かせた。