イジワルだけど、大好きで



 そしてーー3月14日。


 私は相田先輩に、学校近くの公園に呼び出され、そこに向かっていた。


 なぜかは、わかってる。


 ちょうど1ヶ月前のこの日、私は先輩にチョコを渡した。


『あ、相田先輩…。私、相田先輩のことが好きです!』


 もうすぐ先輩は卒業してしまう。


 だからこそ、今伝えないと後悔するって思ったんだ。


『…ありがとう、鈴宮』


 先輩は、私のチョコを受け取ってくれた。


 そして今日はその返事。


 私は胸をドキドキさせていた。


「鈴宮」


 もう卒業してしまっていて、学校で聞くことがない先輩の声。


 私の、大好きな声がした。


「…相田先輩!」


 私は小走りで先輩のもとへと向かった。


「鈴宮、この前はチョコ、ありがとな」


 私は先輩の顔を見つめた。


「それで、返事なんだけどさ…」


 と、おもむろに先輩がポケットを探り、私の口の中に何かを入れた。


「…っ!?」


 コロコロ…。


「ほれ、ひゃんでぃれすか?」


 先輩に口に入れられたのは、甘いイチゴのキャンディだった。


「そう、これが返事。…じゃあな、寒いから早く帰れよ」


 と、先輩は私の横を通り過ぎて行こうとして、私の上着のフードに何かを入れて去っていった。


 …え、キャンディが返事って、どういうこと?


 不思議に思った私だったが、とりあえずフードに入れられたものを取り出した。


 それは小さなメモのようなものだった。


 開いて見てみると、


『鈴宮へ

 この前はチョコ、本当にありがとう。

 でも、俺はお前の気持ちには応えることができない。

 だから、ごめん。          』


 と、書いてあった。


 私はすぐにスマホを取り出して、あることを調べた。


 その結果を見た私の足は、勝手に走り出していた。