「先生、1日考えさせてもらっていいですか?」



「もちろんだよ!美咲ちゃんの気が済むまでゆっくり考えてくれて構わない」



とりあえず、断らなかっただけでもここはよしとしよう。美咲ちゃんにとってそれだけ重大な決断だという事だ。



そして、一日置いた次の日………



「先生、やっぱりわたし学校に行きます!」



「ホントに!?偉いぞ美咲ちゃん!
よく決心してくれた!」



「だって、修学旅行くらい行きたいじゃないですか?」



「いいさ、目的は何でも。大事なのは、美咲ちゃんがまた学校に行く気になってくれた事だよ!」


僕は、美咲ちゃんが学校へ行くと言ってくれた事をすぐさま美穂さんに報告した。


「まあ、本当にあの子がそんな事を?」



「本当です!美咲ちゃん、修学旅行に行きたいって言ってました!」



「そう、修学旅行に…………」



美穂さんはそう呟いて頷いていた。



「そうよね、高校入学まで待つなんて言った私が間違っていたわ。中学時代なんて、二度とは帰らない貴重な日々ですものね」


「とりあえず、担任の先生に連絡して準備をしておいた方がいいかもしれません。美咲ちゃんが少しでも戻りやすい環境を整えておく必要があるでしょう」


「そうね………私、早速先生に連絡しておくわ」


そして、美穂さんは中学の美咲ちゃんの担任の先生と連絡を取り合い、美咲ちゃんが登校する日の詳しい段取りを決めた。



その結果、美咲ちゃんの登校は、三日後の四時間目の終わりという事に決まった。



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