「えっ、学校にですか?」



「そうです。そろそろ美咲ちゃんも、もう不登校は克服出来るんじゃないか?と思うんですよ」


僕は、美穂さんに美咲ちゃんの中学登校について提案してみた。



「でも、美咲の不登校の原因って結構なきっかけだったから、そう簡単には克服出来ると思えないけれど………」



美穂さんは、美咲ちゃんの登校にはかなり慎重だった。そもそも、何故美咲ちゃんが不登校になったのか?それを美穂さんに訊くと、美穂さんは当時美咲ちゃんの中学で起きた忌々しい出来事について語り始めた。



「当時、美咲はクラスでもかなり人気者で存在感のある娘だったの………」



よく分かる気がする。美咲ちゃんは、アイドル顔負けのカワイイ女の子だ。あれ程の娘ならば、クラスで人気者にならない筈が無い事は容易に想像がつく。


「けれども、クラスの中にはそれを面白く思わない娘がいてね、結局美咲はその娘を中心とするグループから陰湿ないじめを毎日受けるようになってしまって………それがきっかけで、美咲は学校へ行けなくなってしまったの」



酷い話だ。そんなものは、そのいじめた相手の単なる嫉妬じゃないか!そんなくだらないモノの為に、一人の少女の将来がメチャクチャになろうとしているなんて!



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