2010年8月20日………




悲劇は突然にやって来る………


《本日午後４時、静岡県◯◯市、国道1号と県道◯号の交わる交差点で大型トラックと軽自動車が衝突する事故がありました。警察の調べでは、大型トラックを運転していた【大友 繁】容疑者五十歳が赤信号を無視してノーブレーキで交差点に進入し、【神谷 詩織】さん二十歳の運転する軽自動車と衝突した模様です。この事故により、大友容疑者は軽い怪我を神谷さんは重体で病院に救急搬送されましたが、まもなく死亡が確認されたとの事です。》



詩織は僕の恋人だった。事故のあった前夜雰囲気のいい静かなレストランで、僕が詩織にプロポーズをするとちょっと恥ずかしそうにはにかみながら、詩織はそれを快く受け入れてくれた。二人はこれから幸せになる………
そんなタイミングでの出来事だった。



信号無視で事故を起こしたトラックの運転手は、業務上過失致死でまもなく警察に逮捕され、その保険会社からは相当額の保険金が詩織の遺族に支払われたが、たとえいくら多額の保険金が支払われようとも詩織の命がもう戻る事は無い。



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