屋根があって、雨も降ってないのにどこから……?
足を緩めて周りを見渡すと、わたしたちが通ってる渡り廊下付近でホースを振り撒いて遊んでいる男の子たちがいた。
わたしに飛んできたのはあのホースの水?
こんな寒い日に何やってるの……!?
「おりゃあ!」
「やったなー! 仕返しだ!」
周りが全然見えてないようで夢中になってる。
まだ通ってるクラスの子もいるし、こっちに飛んできたら大変だ。
止めなきゃ……!
「ちょっと……!」
そうならないように声をかけようとしたら、ホースが思いきりわたしのほうに向いた。
このままじゃ、全身にかかっちゃう……!
目を瞑って教科書を守るように背を向けると……。
「妃野……!」



