生と死と恋の間で~死神?!に恋した陰キャJKの1週間~

さくらは、パジャマの専門店で、パジャマを選んでいた。

さくらがかわいいと思って手に取って値札を見ると、その額を確認してはあきらめて、すぐに値札を裏返し、

もとの場所に戻す、というのを何回か繰り返した。

『やっぱりセール品から選ぶか・・・。』

と、さくらが店の入り口の方へ移動しかけた時、さくらの後をつけてきた女子2人組が、さくらの進行方向を塞ぐように、

さくらの前に立ちはだかった。

そして、そのうちの1人がさくらに声を掛けてきた。

「香山さんだよね?この前階段から落ちた。」

と少し笑いを含みながら聞いて来た。さくらはこの2人組からあきらかな悪意を感じた。

「私に何か用?」

と、さくらは警戒心マックスで、2人に向かって言った。

さくらは、この2人のことは学校で見かけたことはあったが、クラスも違い、ましてや声をかけられるような間柄ではなかった。


「さっき香山さんと一緒にいた人のことなんだけど・・・。」

と、1人が話し出した時、さくらは、

『この二人の目的は真一か・・・。」

と、ピンと来た。

見るからに陽キャの二人に囲まれ、さくらはその場から本気で逃げ出したかった。

しかし、そんなことをすれば、ただでさえ事故のことで不要な注目を浴びているのに、どんな噂を立てられるか分からない。

さくらは緊張しているのをごまかす為に、ふっと自分の前髪を左手で直した。

すると、次の瞬間、

「あれ、私なんで・・・。あっ、香山さん、この前は大変だったよね。」

「あれ、私・・・。そうそう、香山さん大丈夫だった?」


と、いきなり、2人ともが同時に豹変(ひょうへん)した。


「え?う、うん。大丈夫。ありがとう。」

と、さくらは驚きながらも何とか答えた。

さくらはがっちり身構えていたのにもかかわらず、あっさり2人が退散したので、なんだか拍子抜けした。


さくらは2人が去った後、自分の左手の甲を見た。


『もしかしてこのおかげかな?すごい効き目。そう言えば魔物や悪意から守るって言ってたから、悪意からも守ってくれたのかな。』


さくらは、少し微笑みながら自分の左手の甲の上にそっと右手を重ねた。