生と死と恋の間で~死神?!に恋した陰キャJKの1週間~

総合病院

さくらが病院に入ると、壁や天井に広がっていた黒い煙が、さくらを避けるようにざわざわと逃げて行った。

効果絶大だ・・・。

と、さくらは鎖骨の辺りを触りながら思った。



さくらが運ばれた病院は、県内でも有数の総合病院だったので、普通なら朝早くから順番を取り、2時間近く待たされることもあるが、
予約をしていたので、待ち時間もほとんどなく、スムーズに診察してもらうことが出来た。

さくらの主治医に、再度、健康体というお墨付きをもらったが、念の為、体育は見学するよう
言われた。

さくらが診察室から出た後、さくらの主治医は、さくらの回復力をまだ信じられず、

「来週、ちょっと有給取ろうかな・・・。」

と、看護師に言った。




院内は、どこもかしこも黒い煙がうじゃうじゃと広がっていたが、さくらが通るたびに、まるで
浄化でもされているかのように、消えたり、逃げていったりした。


帰りの車の中で、母は、明るい声で、

「さくら、学校、無理して行かなくていいわよ。なんだったら、転校してもいいんだからね。転校もしんどいようだったら、今はオンラインの学校もあるみたいだし。」

と言った。

母の私に対する気遣いを感じた。私に気付かれないよう、学校と連絡を取り合っていることも知っている。
確かに、私を突き落とした相手は学校にはもういないが、この事件を知らない生徒はいないだろう。

登校すればきっと、好奇の目にさらされるだろう。母が心配するのもうなずける。正直、母からの提案はありがたかったが、真一とのゲームのこともある。

「ありがとう。でもあと少しで卒業だから。もうちょっとこの学校で頑張ってみる。」

と、さくらは言った。

「そう。無理そうだったらすぐに言ってね。」

と、母は優しい声で言った。