生と死と恋の間で~死神?!に恋した陰キャJKの1週間~

一通り検査が終わり、医者は検査結果を受け止められずにいた。

案の定、検査の結果はどこもかしこも悪いところはなく、ケガをした痕跡もなく至って健康な身体だった。

医者は、ずっと首を傾げながら、パソコンの画面のデータ(レントゲン、MRIの結果や血液検査の結果)とにらめっこしていた。

まさか他の患者と間違えた?いや、万が一にもありえない。患者の取り違えが無いよう、何十にもチェックをする体制が整っている。
いや、しかし、重体の患者が運ばれてきて数時間で脳挫傷、骨折、その他の外傷が消えるわけはない。
決してあってはならないが、他の重症患者のリストと見比べてみる。しかし、間違えるような似た重症患者は一人もいない。
過去にも腫瘍を摘出する予定の患者が、手術前日の検査で腫瘍が消えているということは何回かあった。しかしそれはあくまで
腫瘍も小さく初期症状の患者である。今回の香山さくらの事例を報告したところで誰も信じてはくれないだろう・・・。

「奇跡としか言いようがない・・・」

医者はぽつりとつぶやいた。

「先生、大丈夫ですか?」
看護師が聞いて来た。

「あ、ああ。」

と、慌てて返事をすると、医者は、

「香山さくらさん、退院の方向で。通院に切り替えましょう。」

と言った。看護師は、驚きながらも、

「承知しました。」

と返事をした。