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わたしは夏見くんからの告白に「いいよ」と返した。
こうしてわたしたちはつき合うことになった。
「俺お腹すいてるんだけど、なにか頼んでもいい?」
「いいよ。わたしもお腹すいた」
時刻は午後1時を回ったところ。
今日は午前中で学校が終わったんだけど、明日の高校入試ための校内清掃でちょっと揉めて遅くなってしまった。
夏見くんはメニュー表を広げると、わたしが見やすいように向きを合わせてくれた。
……夏見くんが冷たいなんて、そんなの真っ赤な嘘。
夏見くんは優しい。
お姫さまのように女性を立てる、そんなわかりやすいものじゃなくて。
かゆいところにさっと手が届くような、そんな優しさを持っている。
わたし相手にも女の子扱いしてくれて……それがわたしには、ちょっとだけむず痒かったりする。



