夏見くんは、なにかを噛みしめるように唇をぎゅっと結んでいた。 だけど、その唇を解くと、質実剛健な表情を向けてきて……。 ……どうしてそんな展開になったのか。 今でもわからない。 でも、決して妄想なんかじゃなくて。 確かな現実として本当に起きたこと。 「吉葉さん。俺とつき合ってくれない?」