「じゃあ、俺の…………」

「え? なに?」


ごにょごにょ言っていて、よく聞こえない。




「さゆねえ、俺の……俺のファーストキスをもらってほしい」

「……は?」


もう少しで手に持っていたオレンジジュースのコップを落とすところだった。


どうしちゃったの、拓斗?


もしかして手近な私で、将来に備えてキスの練習をしてみたいとか!?