「すっかり遅くなっちゃったね。危ないから送っていくよ」


拓斗の声がいつもより低くて、それなのに甘くて居心地が悪い。


胸の奥が、なんだかソワソワする。


送らなくていいから、ここ拓斗の家だから。


私の家、隣だから、大丈夫だからもう私のことは放っておいてください。


「さゆきちゃん……」

「ひゃぅ!」


ぽすりと私の肩にもたれかかる拓斗。


「なんか、飲み過ぎて気持ち悪くなってきちゃった。少しだけ休ませて」


拓斗がもたれている肩から熱が伝わってきて、顔が火照って熱い。