「うん、甘くて美味しい。ありがとう」


拓斗がニコッと微笑みながらコップを返してくれる。


この笑顔には昔から弱い。


だって可愛いんだもん。


拓斗は可愛い系の顔っていうより凛々しくてクールなタイプなのに、時々天使のように可愛い表情をする。


いや、もしかしたら天使じゃなくて小悪魔なのかもしれないけれど……。


受け取ったコップに口をつけてよいものか、躊躇してしまう。


私が口をつけたコップに拓斗が口をつけて、喉仏が動いたシーンが脳裏に焼きついてしまっていて……。


拓斗がフッと笑った。


「髪の毛が口に入ってるよ」

「ふゃ……!?」


私の耳に髪をかけるようにスルリと拓斗の指先が動く。


火を点けられたのかと思うくらい耳がぼわッと熱くなった。


バクバクと心臓がうるさい。