老婆の様だって言われたこともある、この白金の髪。
何色かわからないくすんだ色の瞳。
侍女が白粉でいつも隠してくれていたそばかす。
女らしくない、ぷにぷにした指。
なのにほっぺたはぷっくりしてくれてなくて、寂しい顔。
私の容姿を、なぜ今、気にしているのか。
黙りこくった私の髪をするりと耳にかけて、「質問終わりか?」って訊かれて。
そうしたら優しいイヴァンが、ばちん、ばちんって。
記憶のあの子と繋がっていく。
戻るか、と呟き私を抱え上げた人に、言わないわけにはいかなかった。
「...わたし...っ!、会ったこと、ある...イヴァンに、会ったことある、...すっごい、昔...」
本当はもう、気づいていた。
ずっとずっと、会ってすぐの時から。
あの本を、見つけた日から。