そう、今日は待ちに待ったお出かけの日。

元々遠出が好きな方ではなかったが、でも久しぶりの外はわくわくする。


しかも外国の中心地。



王立図書館と、市場に “買い出し” に行く。


歩いて、触って、買い物。


─────わくわくする。どきどき、する。



人の多い町へ行くのは、当たり前だが危険を伴う。

皆がどのくらいの熱量で探しているかはともかく、私は捜索されている身なのだから。


だから都の地理はわかるというイヴァンの付き添いは限りなく必須で、数週間頼み続けた結果、最後はイヴァンが降参した。

私の勝利。粘ったもん勝ちだね。


図書館に行く目的は二つ。

フェランドール語の辞書がほしいのと、アヴィヌラから取り寄せた医学書を受け取ること。

数日前、イヴァンが速達で手紙を書いてくれたのだ。