何よ、大体って。
説明してくれる気もなさそうだし。
「あと、細かい工具は物置にあるぞ。好きに使え」
「え?......ああ、了解。ありがとう。...あ、ちょっと待って、訊きたいことがあるの」
「なんだ」
「自分の部屋、私が決めても良い?もしかして、別に用意されてる?」
「勝手にしろ」
流し台に皿を置き、無愛想な男は出て行った。
誠に捻くれている。
尋ねたことに正面から返してくれないのだ。
よし、と独り呟いてから立ち上がる。
やることは明確だ。
できるだけ図書室に近い部屋を自分で探す。
物置を見つけ、工具を持ち出し時計を改造する。
うっかりご飯の時間を忘れてしまうのなら、工具で時計を改造し、時刻を知らせてくれるようにすればいい。
そう言ったのだろう。
まどろっこしい奴だ、と思いつつもワクワクしてきた。
これで決まり、と頷き、皿洗いを始めたアンナだった。


