恋の魔法なんて必要ない!~厭世家な魔術師と国外逃亡した私の恋模様~

もしかして、イヴァンは魔術師なの?

この雰囲気を作ったとは以外だが、人は見かけによらないものだ。

でもちょっと似つかないな、と思い一人クスッと笑ってしまう。



後ろ手で扉を閉めると、魔力に、圧倒された。

ぐわんと空間が歪んで扉が溶けたように消え、ラピスラズリの嵌め込まれた真鍮製のノブだけが残った。

本当に海の中のようだ。


ぼんやりと明るく、天井は水面のように揺らめいている。

近くにあった棚を見ると、題はフェランドール語で、いかにも難しそう。

日常会話程度しかできない私には全く読めない。


...歯がゆく感じる。


せっかく本が読めるっていうのに...読めないなんて。

すごく、ものすごくもったいないじゃないか......