その学校に通っていれば最終的にはそれなりの誰かしらと結婚できますし、父と母には感謝していますが、もう何の気力も湧きませんでした。
せめて迷惑は最小限にしたい、と家族には絶縁の念書を書いて出ました。
そしてご存知の通り、アヴィヌラは小さな国です。
脱走しても見つからないためには、外国に逃げるしかありません。
夏季休暇中は丸一か月、私の棲家、ジェラシヴリ家の図書室で机に噛り付いてフェランドール語を勉強しました。
どうですか、ちゃんと話せていますか。
そして二週間前、こっそり闇市に行ってそのアヘンと辞書と地図を買いました。
ちゃんと計算して計画を立てて、ここまで来れたんです。
アヘンは、誰かに吸わせるわけではありません。
私はここから一刻も早く出なければならないんです。
だから返してください、お願いです────


