恋の魔法なんて必要ない!~厭世家な魔術師と国外逃亡した私の恋模様~


でも、学校を抜け出すのは簡単ではありません。


貴族の娘を預かっているんですもの。

行方不明者が出たら学校の名に傷がつきます。


きっと今は血眼(ちまなこ)になって私を探しているでしょう。

これまでの厳重な警備がアリーナについて緩くなったのは、好都合でした。


でも、万一抜け出すところを見つかったらどうなるか分かりません。

だから私は、医学会の小冊子を我慢して、アヘンを買うお金を貯め始めました。


見つかったときに致死量のアヘンを吸おうと思ったんです。

その後の処遇を考えると、死ぬほうが楽。

別の縁談が来て、結婚する。

もうごめんだと、思ったんです。


だから毒の本に載っていた、比較的入手しやすく安価なアヘンを買うことに決めました。