辺りは暗くなってきている。

明け方に寮を抜け出して、もうこんなに経ったのか。


時間の感覚も無くなり、足も痺れている。


でもへこたれてたまるか。


絶対に見つかってはいけない。

できるだけ遠くへ。

早くしないと。



そう思うけれど体が思うように動かず、次第に足が重くなる。

前に行きたいのに、進まなくちゃいけないのに。


湿った空気を吸ってドレスが重たくなる。




遂に、足の力が抜けた。