暗い森を行けばフェランドール。
行けるわけないと思い、王都に向かって歩いた。
それから数時間経った今。
頭が冷えた今、つくづく自分の無能さに打ちひしがれていた。
飛び出してばっかりだ。
頭に血が上ると本当に何も考えられなくなる。
こういうのなんて言うんだっけ。
あー...ただの阿呆か。
手ぶらで歩いて、この辺境の街から隣町まででさえどれだけかかるというのか。
だめだほんとうに馬鹿。
食べ物もないし。
デジャヴだ。
裏切られて、飛び出して。
イヴァンの野郎、...王太子め、────奴ら二人は、最初から信用させる気であったのか。
「...ぅっ、う...」
止まれ、止まれ、涙。
悲しい、裏切りなんて2回目なのに、悲しい。
この出来事には慣れるどころか。
今までで一番、悲しい......


