「す、すいません、助けて下さい、110番を!」 「涼! こっちへ来な!」 凉平の事を馴れ馴れしく『凉』と呼び、涼平の隣で偉そうに叫んだ女の手には。 チラチラと光る刃物。 その刃先が。 嬉しそうに麻衣を見つめたまま動かない、凉平に向いた。 「あら……大変だわ……!」 刃物と、助けを求める凉平……。 ようやく何事かを薄々と理解した麻衣は、迷う間もなく手近な消火器を掴み。