笑いながら深呼吸、5階。 深い溜め息、6階。 瞼を伏せた所で……止まった。 いよいよだと胸を張って、7階。 ゆっくりと扉は二つに割れ。 毛足の長い、黒い絨毯の廊下へ一歩。 左右どちらかと見渡すまでもなく麻衣の目の前に、居る。 嬉しそうで顔色の悪い八嶋涼平。 それと……派手なヒールを履いた、若い女。