「それだけ?」

「暁、の優しさに惹かれて好きになって……そのあと声とか仕草、とか……も好きになって……えっと……」

「ははっもういいよ。かわいいから許す」

「暁の意地悪!もうキライ!」



キライなんて嘘。だけど、やっぱり素直になれないわたしが勝ってしまう。



「キライなんて言わないでよ。俺は好きだよ?」

「どっどこが?」

「全部。ツンデレで素直になれないところも声も仕草も。大きな目もきれいな黒髪も。実は照れ屋だから、バレないようにするためにそっけなくなっちゃう態度も。凪咲の全部が好きだよ」



……すっっっっっごい恥ずかしいんだけど。



「あとは……」

「もういい!もういいから!」

「まだあるんだけど?」

「恥ずかしいから!もうやめて……?」

「かわい。本当にありがとう。愛してるよ、凪咲」



そうやって愛してる、とか言えちゃうところも。愛情表現の仕方がたまにおかしいときもあるけど、そんな暁が大好きだよ。



「凪咲……これからも俺と一緒にいてね」

「う……んっ」



わたしたちは誰もいない公園で、誓いの口づけを交わした。