初めて女の子からチョコをもらった日だった。


そのたった一粒の小さなチョコが、とても嬉しかったのを今でも覚えている。




「ありがとう。えっと、名前…」


「初音麗!じゃあ、またね」




花が咲くように可愛く笑った女の子は、そのまま走って帰っていった。


その笑顔に、俺は恋をした。



その日から毎日その公園であの女の子を待っていたけど、一度も会えることはなかった。


再び再開したのは、高校の入学式の日だった。







「初音さんは覚えていないかもだけど、それが俺の初恋なんだ。それからずっと初音さんのことが好きだった」


「…あの日の男の子が、碧山くんだったの…?私、あの次の日に引っ越しちゃって、中学に入る前にまたこっちに戻ってきたの。まさかずっとあの日から好きでいてくれたなんて、知らなかった…。私は、入学式の日に助けてくれた碧山くんを好きになって、それで…」


「ん?待って待って、え、今好きって言った…?」


「え、うん…」


「え?初音さんの好きな人って…俺なの?」