バレンタインチョコと四人の恋

慌てて送信取り消ししようとすると、ひょいっとスマホを取られた。




「後悔してるんでしょ?なら、今するべきことは会わないように引きこもるんじゃなくて、真実を確かめに会いに行くことなんじゃないの?」




咲希の言葉にハッとする。


…そうだ。いつまで逃げていたって何も変わらない。わからない。




「…わかった。話してくる、ありがとう咲希」


「ん!なんかあったら連絡してね」




本当は宙翔の口から彼女がいると聞くのは、まだ怖い。


だけどいつまでも現実から逃げていては前に進めない。



気持ちを伝えられなくて引きこもるほど後悔したんだから、ちゃんと伝えてこないと。





「彩葉と話すのなんか久しぶりだね。最近うち来なかったし」


「あ、うん。ちょっと色々忙しくて…。あれ、なっちゃんは?」




宙翔と目を合わせられなくて、リビングをきょろきょろと見渡していると、なっちゃんがいないことに気づく。