君の隣の家に引っ越してきたあの日から、私は君しか見ていなかった。




「宙翔ー!ご飯!できたってー!」


「今行くー」




二階にいる幼なじみに声をかけてからリビングに戻ると、テーブルの上には美味しそうなご飯が既に並んでいた。


私の大好きなかぼちゃコロッケもたくさんある。




「くぅー!なっちゃんのかぼちゃコロッケ本当大好きー!おいしすぎるー!」


「あらあら、彩葉(いろは)ちゃんは本当いつもおいしそうに食べてくれて、おばさんも嬉しいわー」




幼なじみの宙翔のお母さんである奈津子(なつこ)、通称なっちゃんが嬉しそうに目を細めた。




「今日もいっぱい作りすぎちゃったから、また持って帰って彩葉ちゃんのお母さんにも食べさせてあげてね」


「わーきっと喜ぶよ!ありがとうなっちゃん!」


「本当彩葉ちゃんは感情豊かで見てて楽しいなあ」


「ちょ、父さん。それじゃあ俺が感情豊かじゃないみたいじゃん」