バレンタインチョコと四人の恋

「…バレンタインデー、誰にもあげないの?」


「え、な…っ!聞いていたんですか!?」


「たまたま聞こえちゃってねー。朱音ちゃんはてっきりあげるんだと思ってたのになー」


「あ、あげる人なんていません」


「ふぅーん。俺はてっきり宙翔にでもあげるのかなーって思ってたんだけど…違う?」




頬がみるみるうちに赤くなっていくのが自分でもわかった。


燃えるように熱い頬を会長に隠しながら「なんのことですか?」となんとか誤魔化す。




「朱音ちゃんさ、宙翔のことが好きだよね?」


「っ…!」




認めたくなかったのに。


気づきたくなかったのに。



なのに、会長の一言で気づいてしまった。