ざわつきは、まだ収まっていなかった
会場のどこかで、小さなノイズが混じる
さっきまでの歓声が、少しだけ遠く感じる
まるで……
音だけが別の場所に引っ張られているみたいだった
観客「……何、今の」
誰かの声が聞こえる
その瞬間だった
照明が、一度だけ“完全に落ちた”
真っ暗
観客のざわめきが一気に広がる
(停電……? いや違う)
私は息を止めた
この暗闇は、事故じゃない
“誰かが作っている”
そう思った瞬間……
ドクン、と心臓が跳ねた
そして
静寂の中心から、声が落ちてくる
友莉華「……遅いわね」
その声は、スピーカー越しじゃない
空間そのものから響いているみたいだった
ゆっくりと
ひとつ、またひとつ
光が“割れるように”戻っていく
その中心に立っていたのは……
友莉華だった
拍手も、歓声もまだない
ただ“理解できていない沈黙”だけが広がっている
友莉華は、ステージのど真ん中で笑う
いつもの笑顔じゃない
どこか試すような、冷たい静けさ
友莉華「昨日の続き、ちゃんと持ってきた?」
その言葉で、空気が一段階変わった
(……やっぱり)
これは“予定のバトル”じゃない
友莉華は、最初からルールを変えに来てる
彼女はゆっくり一歩前へ出る
ヒールの音だけが、ドームに響く
カツン
カツン
そのたびに、空気が締まっていく
友莉華「じゃあ始めましょうか」
友莉華はステージを見上げる
そして、私のいる方向へ視線を向けた
友莉華「……“昨日の答え合わせ”を」

![アイドル学園〜ステージに咲く美しい花〜 [完]](https://www.no-ichigo.jp/img/member/1082306/swt8bhm8ap-thumb.jpg)