誰かに向けてじゃない
ステージに向けてでもない
ただ、自分に向けて
美嘉「……私」
一度、息を吸う
胸の奥に残っていた“違和感”が 形を変えていく…
不安じゃなくて…
恐れでもなくて…
美嘉「歌います」
その瞬間
ステージの空気が“確定”する
まだ音はないのに
もう始まっている
そして…
ゆっくりと照明が落ちる前に…
最後の光が一瞬だけ、美嘉を切り取る
(これは……私の答えだ)
暗転
そして……
静寂の中から音が生まれる
♪消えそうだった声が♪
今までの三本勝負を勝ち抜いた自分
そして…
♪勝つことじゃないって♪
その言葉だけが最初に浮かんだ
♪だから歌うよ
この命のままで
誰にも決められない
私のストーリー
光じゃなくてもいい
完璧じゃなくてもいい
この声が届くなら
それがすべて♪
サビはやっぱりこれ!
一番しっくりくる
♪この世界に
“私がいた証”として
響け、イノチノウタ♪
やっぱりこうなる
「イノチノウタよ……」
その声が、ステージそのものになる
音は止まっていないのに…
"世界だけが静かになった"
拍手も歓声もまだ戻らない
ただ…
ステージの上に残っているのは
さっきまで確かに"歌だったもの"だけだった
そして、美嘉は気づく
(これで……終わりじゃない…)
胸の奥でまだ小さく…
次の"音"が鳴っている
……祝日・月曜日 昼公演…
東京ドーム 大FINAL
その名前だけが静かに浮かぶ…

![アイドル学園〜ステージに咲く美しい花〜 [完]](https://www.no-ichigo.jp/img/member/1082306/swt8bhm8ap-thumb.jpg)