宮田先輩とのやり取りが頭から離れなくてなかなか寝付けなかった私は、翌日少し寝不足だった。


改めて気にしてみると、夏海くんの周りにはいつも誰かがいるし、女の子も近くにいる。

そんな光景はいつものことで見慣れているはず。

なのに今日はどうしても胸がざわついて仕方ない。


こんなに可愛い女の子たちがいつも近くにいるのに、私のことを好きだなんて気の迷いなんじゃないかとさえ思えてくる。

この人たちよりも好きになってもらえる要素がどうしても自分に見当たらない。

それに、もしお付き合いしたとしても、私なんてすぐに飽きられてしまうんじゃないかな。


ネガティブな思考が次から次へと湧いてきて、思わずため息が出てしまう。

私、こんなに自分に自信がない人間だったんだ・・・。

ハツラツとした性格じゃないのはわかってたけど、こんなに後ろ向きだったなんて。

夏海くんと仲良くなる前は、よくも悪くも自分の想像の域を越えない平穏な毎日を送っていたから、こんな自分に気づきもしなかった。


「あ、賢斗!この前ボーリング行った時にさぁ――」


今日は休み時間のたびに、誰かが夏海くんを呼ぶ声がやけに耳に入ってしまう。

神崎さんとボーリング行ったんだ、とか。

私以外の女の子とも遊ぶんだ、とか。

そんなことを考えてしまう自分が恥ずかしかった。

夏海くんが誰と遊んでも、それが女の子でも、何もおかしなことじゃない。

まだ夏海くんのことを好きかどうかわかっていない中途半端な私が、それに対してモヤモヤする方がよっぽどおかしなことなんだ。