委員会の行われる教室に到着して、適当に空いてる席に座る。

まだ時間前だけど、すでに人がたくさん集まっている。

もしかして夏海くんは先に行ってるんじゃ、と淡い期待を抱いていたけど教室内に姿は見えなかった。


『でも賢斗くん委員とかあんまりやんないんじゃない?』


委員決めの日に松山さんと音川さんが話していた内容を思い出してしまう。

夏海くんがどんな人なのかよく知らないからその可能性もある。

でも・・・本当に知らない可能性もある。


やっぱり今日のこと一言だけでも言っておくべきだった。

もし私が夏海くんみたいに知らないうちに委員会が決まっていたとしたら不安に思うし。

それに、たとえすでに知っている情報だとしても、教えてくれたら嬉しいもん。


私は壁にかかっている時計を見て、委員会開始まであと数分あることを確認し、勢いよくイスから立ちあがった。

委員会のことを知っていて来ないつもりでいる可能性は、今は考えない。

時間ギリギリまで夏海くんを探しに行こう。

私は急いで教室のドアから廊下に出ようとした。

その時―――