「あの、あたし……、ずっと好きでした」
「誰が?」
わかっているくせに。ふっ、と意地悪く笑う達樹先輩を上目遣いに見上げる。
「達樹、先輩が……」
「ん?」
小さくだけど、ちゃんと名前を言ったのに、達樹先輩がわざとらしく首を横に傾ける。
「ずっと前から好き。たっちゃんのこと!」
昔の呼び方で、半ばヤケ気味にもう一度告白したら、達樹先輩が満足げに口角を引き上げた。
「うん、合格」
チョコを持つ手が引っ張られて、あたしの身体が達樹先輩の腕の中にすっぽりとつかまる。
あたしを抱きしめる先輩の左胸が、ドクドクと鳴る音が伝わってくる。
「俺も、繭のこと好き」
達樹先輩にくっつくあたしの左胸も、先輩に負けないくらいドクドク鳴っていた。
fin.



