「え、どうして……」
振り向かなくても、目隠しする手を退けなくても、声を聞いただけで、すぐ後ろにいるのが達樹先輩だとわかる。
急いで下駄箱の蓋を閉めて、何から誤魔化そうかと焦っていると、あたしの目隠しを外した達樹先輩が背中からぎゅっと抱きしめてきた。
「なーにしてんの? こんなに朝早く」
達樹先輩に耳元で囁かれて、心臓が大きく跳ね上がる。
「せ、先輩こそ、何してるんですか? 朝早くから」
「俺? 俺は、起きてカーテン開けたら、いつも遅刻ギリギリの繭が自転車ぶっ飛ばしてるのが見えたから。こっそり後つけてきた」
え!? 付けてきた?
どこから見られてたんだろう。



