『×月×日、姉さんの子どもを引き取ることになった。名前はこころ。姉さんの宝物。小さくて、温かくて、でも生きている。命ってこんなにも尊いのか……。大切に育てる。周りが何と言おうと、この子を絶対に育てる。俺たちの宝物だ』

「えっ……」

予想外の書かれていた言葉たちに、私の口から声が出る。思っていた言葉は何もなかった。次のページにも、優しい文字が並んでいる。

『×月×日、こころはミルクをたくさん飲んでくれている。夜泣きは大変だけど、前よりも体重が増えて大きくなった気がする。大きくなれよ』

『×月×日、こころが熱を出した。本当に怖かった。この小さな命が、消えてしまうんじゃないかと怖かった。医者に「もう大丈夫ですよ」と言われた時、ホッとした。ボロボロ目から涙が出てきた。生きていてくれて、本当にありがとう』

「何これ……」

寝顔が可愛いとか、初めて喋ったとか、温かいことばかり書いてある。父は私のことなんて、憎んでいるはずなのに……。