「……こんなの、口にしてくれなきゃわかんないじゃん。馬鹿」

涙を指で拭いながら私は呟く。すると、母が私の肩を強めに叩いた。

「その言葉、しっかりお父さんに伝えて来なさい!」

「うん!」

私は立ち上がり、父が出て行ったドアを開ける。もうお風呂から出ている頃だろう。お風呂から出た後、父はいつも外でタバコを吸っている。

玄関のドアを開ける。そこには、驚いた顔をしながらタバコを吸う父の姿がある。目の前がぼやける中、私は久しぶりに言った。

「お父さん!!」