幼なじみにキュンしてる

「家の冷蔵庫に……」

「忘れてきたのかよ……お前ってやつは……ほんとさぁ」

「ごめん! うちに来てくれる? 隣だし、いいでしょ?」

「いいけど、今の時間、誰もいないんだろ?」

「うん」

 よく知ってるね。うちの事情。
 ……まぁ、昔からお互いの家のことはよく知ってるもんね。

「分かってると思うけど、ふたりきりだぞ? 今までとはわけが違うって分かってる?」

「…っ!?」

「まぁ、お前に家に誘われたら、行かないわけにはいかないもんな? 覚悟しとけよ?」

 ニヤっと笑ったら敦の表情には、少しの照れが隠れていた。



 バレンタインがキッカケで気づけたこの気持ちを、私は大事にしようと思う――。

 これからもずっと、幼なじみにキュンしてる未来が見えた気がした。




完.