朝の七時、太陽はもう顔を出しており、眩しくも優しい光が街を照らし、朝が来たことを告げている。今日は月曜日、仕事や学校が始まる曜日だ。

赤レンガ造りのマンションの一室、ブラウンのショートボブの女性が布団の中に潜り込んでいる。モコモコとしたパジャマを着た女性は、鳴り響く目覚ましの音に顔を顰めながら、布団を頭から被り、再び夢の中に入り込もうとした。刹那、ドアが乱暴に開く。

「こら、二度寝はさせませんよ!!今日は刑事さんに呼ばれてるじゃないですか!!早く起きて、朝ご飯食べてください!!」

部屋に入ってきたエプロンをつけた男性は、鳴り続けている目覚ましを止めると、布団を剥ぎ取り、女性を乱暴に揺さぶる。ようやく女性は目を開けた。ガーネットのような赤が、困った顔をする男性を映す。

「おはよぉ、ノーマン」

「おはようございます、アン。また寝ないうちにベッドから降りてください!」

女性ーーーアン・ワトソンは男性ーーーノーマン・ミラーに抱き上げられ、ベッドから強制的に起こされた。そうしないとアンは起きない。