記憶に残るバニラのような甘い匂いを残して、恭平くんは教室を出て行く。 ぼーっと浮かれながらも、心の中で叫びたくなる。 ああ、もう。 好きすぎて、どうしよう……っ!! 熱い頰を抑えながら、ふうっとため息をつく。 ……そんなことされなくても、わたしはずっと恭平くんで頭がパンクしそうだよ。 そう思いながら。