本気で泣きそうになりながら、彼の拘束から逃げ出して。 「〜〜っ、恭平くんのばかああああ……!!」 あははと笑う恭平くんに叫びながら、屋上の階段を駆け下りたけれど。 「え、まって……っ、食べるの忘れてた……!!」 手に持っている未開封のクリームパンの存在に気づいて、うなだれたのは言うまでもない。 もちろん、その後ろで恭平くんは可笑しそうに肩を揺らしていたらしい。 「あーあ、離したくなくなるの、そういうところだよなあ……」