「教えてほしい?」
恭平くんの目に射抜かれる。
甘い匂いのせいで、さらにドキドキが募る。
恭平くんは意地悪だ。
人には感じとるという機能があるはずなのに、それを使わずわたしに言わそうとする。
根っからの俺様。
名前のとおり悪魔。
でもそれなのに、好きになってしまったから。
彼の言いなりでもいいかなって思っちゃうんだもん、もう抜け出せない。
「教えて、ほしいよ……恭平くん」
頰をなでられ、彼の雰囲気にまるごと呑まれる。
だめだ、……本当に腰が砕けそう。
彼の大きな手がわたしの頰に触れ、また距離が近づく。
息ができないでいると、恭平くんはわたしのおでこにゆっくりとキスを落とした。



