「なら、俺が教えてあげよーか」 鼻と鼻がくっつきそうな距離でそんなことを言われ、もう正直なにを囁かれてるのか理解できていない。 顔は真っ赤になるし、身動き取れないしで、涙目になる。 こんなの、知らない。 なんでこんなにドキドキするの。 目が離せなくて、なにも言えないまま時が過ぎるのを待つ。 胸が痛くなるほどドキドキを繰り返す心臓を他人事のように心配していると、恭平くんはちょっとだけ口角を上げた。