これが、ふつう?! 恭平くんは、距離感バカなのかな……?! 抗議したかったけれど、相手がこんなに近くにいるんだもん。 さすがに、そんな気分にはなれないよ。 「ねえ」 彼の少し掠れた声が耳を刺激する。 必然的に上目遣いになって、恭平くんの言葉に促されるように彼を見上げた。 彼の瞳に、わたしの瞳が絡めとられた気分に陥る。 同い年のはずなのに、このひとはなぜこんなにも色っぽいのだろう。 「俺の機嫌とってよ、みゆうちゃん」