驚きすぎて、声が出ない。
そこにいたのは……、間違えることなどない、わたしの好きな人だったから。
……阿久間恭平くんだ。
彼を認識した途端に、心臓がドキドキと高鳴る。
どんどん赤くなっていく顔を自覚しつつ、彼をぼーっと見つめる。
やばい、かっこいい……!!
どうしようで頭の中がいっぱいになってこんがらがる。
なにも言えないでいるわたしに、不思議そうに首を傾げた彼は、急に手を出した。
「それ、貸して」
見とれているわたしにはお構いなく、そう指をさされたのはわたしが持つポスター。
話しかけられたのが嬉しすぎてフリーズ中だけれど、なんとかカチコチな動きでそれを手渡した。



