あくまくんが愛してやまない。





思わずゴフッといちごみるくを吹き出しそうになった。

息が一瞬止まったし、爆弾発言をした当の本人の恭平くんが平然としてることが、不思議でたまらない。


吹き出す寸前で耐え、軽くケホケホと咳が出るわたしのことは蚊帳の外で、彼らはじっと見つめ合っている。


でも長谷川くんは、ぽかんとした表情をしていて。

数秒間そのままだったけれど、やっと戻ったときには軽やかに笑っていた。



「いやあ、なるほど。恭平ってわかりやすいね」

「加世うぜえ」


「ごめんって。恭平の彼女が、けっこう俺のタイプだったから意地悪しちゃった」



くるりとわたしに向き直ると、長谷川くんはにっこりと言う。



「名字、なんだっけ?」

「あ、保志です……!保険の保に、こころざしの志でホシって読みます」


「オッケー。保志ちゃんって呼ぶわ」