あくまくんが愛してやまない。




れんらくさき、レンラクサキ、連絡先……。

ひととおり頭の中で変換が完了して理解が追いついてから、声を出す。



「えっ、あの超レアな恭平くんの連絡先をもらっていいの……?!」

「超レアかなにか知らないけど、まあ、みゆうちゃんは彼女だし」


「信じられない……」



彼にはたくさん仲良い女の子はいるけれど、連絡先は滅多に交換しないことで有名だ。

うわさによると、ラインや着信が溜まるのが嫌いらしい。



最低限の人しか彼の連絡先を持っていないから、ファンのあいだでは恭平くんのそれは、とても希少価値の高いものなのだ。



ひとりで感動していると、まったくわたしの嬉しさを共有してくれようとせず、彼は手を出して言う。



「スマホ貸して」