「やっぱり俺、正解だったかも」
と、よくわからないことをつぶやくと、恭平くんはにっこり微笑んで口を開いた。
「ま、なにかあったら遠慮なく言って」
「な、なにかとは……」
「さあ? 上履き隠されたり、教科書破られたり?」
「そ、そうなる前に助けてくれないの……?」
「気が向いたらね」
……このひとは悪魔だ。
名前も悪魔(阿久間)だし、とても納得だ。
でも、そうやって目を細めて優しく見つめられたら、なんでもいいかなって思っちゃうよ。
メロンパンを食べ終え、屋上にあるゴミ箱へ包み紙を捨てる。
そのあといちごみるくを飲んでいると、あっと思い出したように恭平くんはわたしを見た。
「連絡先、ちょーだい」



